無事に4話完走できました!ヒュー!!
いや〜めちゃくちゃ大変でした…
ということで、どの辺が大変だったかの備忘録です。今回は、話の作り方とか制作の裏側的な話がメインですが、そのうち4話の内容やリゼについても別記事でとりあげたいですね。
目次
見せたかったテーマ
最初のメモです。ウラに同人誌のポップ書き練習があるので、6月COMITIAのすぐ後ぐらいかな。
「リゼが他者の好意を拒む理由と思考過程」
「リヒトの方向性の転換」
この2点が当初4話のテーマでした。
ただ、この2つを入れるとページ数が多くなるし、ついでに視点も変わる…なので、「リヒトの方向性の転換」は5話でやる事にしました。
勢いで告っちゃった短期戦から、じわじわアプローチかけておとしていこうって長期戦スタイルに変わる話ですね。リーゼルはもう逃げられないね、こわいね。
で、方向転換のきっかけづくり&リヒトの長期戦からしばらく逃げ続けてもらわなきゃいけないので、リゼの拒否って布石はどうしても必要だったんです。正直この布石は2人を動かしにくくしてしまったので、セルフ首絞めしてしまったな〜と思ってたり。
初期プロット
自分用プロットなので分かりにくいとは思いますが…(画像は読まなくて大丈夫です)
プロット草案をざっくりまとめるとこんな感じです↓
(園芸しながら思考)
何日も食べてないなら、ひとかけのパン≒優しさでもごちそうになる
自分もうさぎ荘へ来てそう感じた
その優しさは「普通」の範囲だと知った
リヒトはまだ普通の感覚を知らないだけ
(だから勘違いの好意を受け取るべきじゃない)
そして初期プロットのメモとざっくりまとめはこんな感じ↓
リゼが昔読んでた本を思い出す(3話で拾った本)
自分たちの関係性が近いものだと危惧する
図書室で根拠を調べ、より警戒する
既存の物語から警戒する流れは、最近読み漁ってる悪役令嬢転生モノからの着想だと思います。
ただ、「本筋に関係ない全く別の物語」という小道具を使うと、この先ずっと魚の骨みたいに変に引っかかりそうでいやだな、と思いまるっと削りました。ここは削って正解でしたね。
心理状態の輪郭を考える
拒否のきっかけがうまくまとまらなくて、リゼが調べものをする行動そのものを私がなぞってみればいいのでは!?となりまして。大型書店へ足を運んでみたり、ネットで調べてみたり(流れで論文も読んだり)しまてました。行動心理学ってなんでこんなに胸がおどるんでしょうね。
最初リゼには、これって「刷り込み」?って考えついてもらう予定でした。
雛鳥が最初に見たものを親だと認識してついてくるっていうアレですね。
ただ、鳥でも刷り込みがない種もいるし(そもそもimprintingは学習現象)、昔はヒトの赤ちゃんにも刷り込みがあるんじゃないかと言われてたけど結局刷り込みはなかったりなど、調べた結果「刷り込み」はあくまで慣用句的な扱いのようでした。
どうにも欲しい情報とズレてるっぽいなぁ、ということで刷り込みうんぬんは却下です。
結局リゼが調べた言葉=使えそうなのは「井の中の蛙大海を知らず」「好意の自尊理論」「ピグマリオン効果」「確証バイアス」「好意の返報性」「アンカリング効果」あたりかな~と目星をつけてプロットに練りこんだりします。(最終的に好意の自尊理論以外消えていきましたが…)
4話の面白いとこは、リゼが色々調べた自尊理論だの認知バイアスだのは結局全部リーゼル自身のことを指してるってとこなんです。認知の歪みが起きてるのは!リゼのほう!
心理状態の輪郭を考える(リーゼル自身のこと)
4話を最後まで読んでくれた方はお気づきかもしれませんが、リゼってとにかく自尊心がひっっっくいの。自分に価値がないと思ってるから他者から好かれるわけがないと思い込んでる。いわゆる蛙化現象に近い状態なんです。だから好かれるわけがないのに好かれてる(?)不思議な現象に説明を求めるように、マイナスな情報ばっかり集めて、本来であれば好意を向けられるはずないんだってことに安心してるんです。
だから「自分に縛り付けちゃいけない」なんです。でも「もっと仲良く」なりたくて、もっとリヒトが笑ってるところが見たくて、でもリヒトの「勘違い」に付け込むことだけは絶対しちゃだめで……っていうリゼの葛藤をね、描きたかったんですよね。
私が色々調べる過程で、愛着の形成と受容に関する本もチラ見したのですが、リゼの愛情の受け方って底に穴が開いたケトル型なんですよ。入口が狭~くてたくさんの量を受け取れ切れないし、穴が開いてるからもらった愛も流れ出ちゃって常に枯渇してる、みたいな。ようするに愛情の受け方がド下手なんです。
完全に早口のオタクになってしまった。
やっぱキャラに関することだと早口にもなりますよね。
プロット完成(草案から話を分割)
調べた言葉をふんだんに盛りつつ、ようやっとプロット完成です。やったね!
ついでにこの辺で、草案を4話と5話に分けようってなった気がします。
ネームから演出変わるしセリフも変わるし
これ個人的にファインプレーだと思ってるP6です。
最初は心理学用語を並べ立てて、調べた言葉が押し寄せる感じにしようと思ってました。けど、いっそ専門用語をほとんど取っ払って、リゼの感情や思考を全面に出したほうがいいのでは!?と、セリフを変えました。文字ぎゅうぎゅう罪になってしまったけど、こっちのほうがいいね!
P22も演出変わってます。
この前ページあたりまで結構重めの空気を繰り返してたので胃もたれ防止のために、思い詰めた表情の1コマから抜けた空気感を出してみました。今気付いたけど、このページ全コマ違いますね(笑)
そしてリヒトの行動も、抱きしめる→腕をつかむに変わってます。ここ、直前までどっちにするかずっと悩んでて、振られた()あとに勢いとはいえ抱きしめるか~?と考えた結果、腕グイになりました。
抱きしめたほうがリゼが体を離す時大きく動くことになるのでね、舞台だとそっちのほうが観客に分かりやすくはあるんだろうなと思います。
なので続きのP23も抱きしめるシーンから変わってます。
ペン入れがしんどい
原稿作業で何がしんどいってこれが一番しんどいです。もう~己の画力の無さから逃げられないんですよね。なんかこう、卑下とかじゃなくて客観的に、あー絵下手だなぁ…って自分で感じる瞬間って誰しもあるんじゃないかと思うのですが、もうずっとそれと向き合ってる状態です。
ついでに背景のパースが全く分からない。よくわかる初心者向けパース動画!とか見てもよくわかりません…。私がパース覚えるよりも、3Dでリヒリゼの部屋とか素材作って配置したほうが早い気がしてきてます。
ただ、私は背景が描きたくて漫画が描きたくて描いてるんじゃなく、リヒトとリゼの話を見届けるために描いてるんだっていうのは忘れないようにしなくちゃと思ってます。手段に振り回される前に、初心にかえろうねってことね。
仕上げの正解がわからん
わからん!(大の字)
比較的好きな工程なんですけど、どのトーン置いてもしっくりこない!わ~~~ん もうこれでいいわい!って感じでした。
メディバンからクリスタに変えて初のちゃんとした漫画だったのですが、クリスタはできることが多い分めちゃくちゃ悩んで、結局ごちゃついた画面になってしまって…難しいですね。オオカミ兎10話ぐらいには洗練された画面になってると思います。なってるといいな。
あと、仕上げ早見表みたいなの作ったら次回から楽かなって思いました。日常会話のシーン、間の抜けたシーン、精神ぐらっぐらのシーン、ときめきシーンみたいに分類して数パターン作っとく、みたいな。言ってみて、あっ作るのだいぶ面倒だな…となったので多分作らないかな。もし作ったらついでにブログにもあげたいです。
大変だけど、やめたくない
こんなにも大変で、もう漫画やだー!!って何度も思ったのに。
「やめてもいいよ、やめる?」って何度問いかけても返ってくる答えは「やめない」なんですよね。
なんでだろう。
自創作で漫画連載してる人を見かけて、すご~い!私も自創作を形にしてみたい!!と思ったあの衝撃とキラキラに憧れ続けて、っていうのもある。
でもきっと一番は、夢を見てしまったから。
思いついた最高のシーンをストーリー漫画として形にすることに、リヒトとリゼが歩んでく時間を近くで見ることに、2人が結ばれる未来に、それから頭のなかで見たように、オオカミ兎の物語がハッピーエンドで幕を下ろすことに、夢を見てしまったから。
この感覚が私の中でずっと息をしている限り、どんなに時間がかかってもオオカミ兎は最後まで描き切れるんじゃないかなと思ってます。頑張りすぎない程度に頑張っていきたいです。