先日、モネ展見に行ってきました!
展示会行くのはフェルメール以来かもしれません。
フェルメールの時は複製原画展だったのですが、とにかくすごい人混みで牛乳を注ぐ女に全然近寄れず遠目から目に焼き付けた記憶があります。
今回もそうなるかな~と思いつつ足を運んだら物凄い近距離(大体40-60cmくらい、フェと比べれば実質ゼロ距離)で見れて、いいんですか!?ってなりました(笑)
キャンバスも全部大きいのでほぼ絵にダイブしてるようなものです。
そして、近距離だからこそ分かる絵の具の立体感が本当に素晴らしくて心地よかったです。
以下ざっくり感想です。
ざっくり感想
モネと作品について
- 色彩感覚があまりにもずば抜けてて、色の置き方が綺麗。
- 色が物凄い綺麗と思ってじっくり見ても、なんでここにこの色を置こうと思ったのか全く理解できなかった。
- ネット画像や印刷物だと分かりにくいけど、色がたくさん使われてる。本当に、たくさん。
多分スポイトで取ったら「赤やで」「緑やで」「青やで」みたいな感じになり、どれだよってなるやつ。 - モネ作品は現実から乖離した創作、表現上での嘘を上手く描く画家なんだとしみじみ。
現実を現実のままであれば写真でいいし、絵で表現する必要性や意味が濃く詰め込まれてる感じがした。絵は必ずしも現実に忠実である必要はなく、嘘を混ぜていいし、多分その嘘の出し方が画家の個性となるのかもしれない。 - 油彩ってこんなにハッキリ絵の具の立体感が出るんですね。
今まで、筆づかいが~と聞いても筆のかすれ具合の事?みたいにピンと来なかったけど、
多分こういった立体感含め筆づかい~というのかも。 - あと、どれも絵の表面がキラキラしてて、なんかツヤ系フェイスパウダー付けてるみたいなパール感()があったんだけど、油彩絵の具ってそういうものなのかな?
詳しくないからあのキラキラが何なのか分からない…とにかく輝いてた…印刷やディスプレイには載らない不思議なきらめきがあった… - 評論家に「君らの絵、印象www」って言われてからモネみたいな作品が印象派という名称になったの強すぎませんか。インターネットで強く生きれるタイプだ。
- モネのタイムラプスが見たすぎる~!
見ても紐解けないのは分かってるけど見たすぎる! - 初期の頃から、4ヶ月の滞在で約24点の作品を描きあげるとかしてて化け物かと。
- (私が仕事辞めて同じ期間没頭しても、同じ完成度で同じ作品数仕上げるのは、当たり前だけど どう頑張っても無理なので)
- 展示作品だけ見ても水面を描いた作品が多い。
アトリエも舟の上に作ってるぐらいなので、本っ当に水面が好きなんだな…としみじみ。 - 睡蓮のモチーフ元がモネの自宅の庭(花の庭と水の庭)だったの初めて知った。
- 睡蓮もとんでもない作品数残してるし晩年は視覚障害患って手術して
復帰後にも睡蓮描いてるし、化け物かと。もう畏怖の気持ち。 - 朝焼けとマジックアワーの時間っぽい絵は色が特に好き。色のグラデーションが上手すぎる。
- 正直、モネ作品がこんなに自分に刺さると思わなかったです。
展示出てポスカとか見ても、生で見た時ほど強く惹かれなくて…実物と全然違うのが不思議。
連作への焦点
- モチーフの形を描き出すのでなく、
モチーフの時間や気候による移ろいを切り出すという
焦点に至るのがすごい。 - しかも時間気候差分の表現が、
ゲーム背景でよく見るようなベース絵から時間帯の色を反映させる形ではなく、
モチーフの輪郭の切り取り方や影の混ざり方や…別物の1点として描かれていた、
という感覚に近い気がする。 - 作品によっては輪郭が溶けてる。
初期の作品と比べて晩年に描かれたものの方がより輪郭が溶けて色が融合してる感じがあった。 - 『積みわら』が連作のなかでも好きだった!
鮮やかな緑とのどかな積みわら2作が続いた後に出される冬の積みわらが良すぎる。 - 冬の積みわらは雪の反射と逆光で描かれる積みわらの絵なんだけど、
積みわらの影の色が(記憶では)彩度高く明度低い青で
積みわら付近の影にピンクっぽい色が見えて、この組み合わせが本当に綺麗。
油彩絵の具の立体感とキラキラ(絵の具のキラキラ?)がさらに作品に厚みを増してるように感じて、この辺りはデジタル作品と一線を画してるアナログの良さだと感じた。 - 『プールヴィルの崖、朝』が1番好き!!
朝焼けの柔らかな色合いがものすごく素敵。 - (後ろの若い女の子達も色綺麗~かわい~って言ってたし、今で言うエモい色合いなんだと思う)
- 国会議事堂や橋が不思議な色で、心象風景かと思ったらロンドンの霧が映した景色が題材だった。
ロンドンの霧って工場の煙だったはずだからもうこの風景を見ることはできないので、実際肉眼ではどんな風に見えたのか気になるところ。
巨匠の絵画でも足止めできない
- 人混みのせいもあると思うけど、どの人も足を止めて見るのはせいぜい3分程度。
こんなに魅力的でもせいぜい3分程度だった。 - この絵、好きだな~。色はどうなってるの?と思った作品の前では
私も足を止めてじっくり見たけど、きっと10分にも満たなかったはず。
それは周りに人がいるからやむなくだったけど、誰もいない空間で
心行くまで見ていいなら…それでも30分飽きずに見続けられるのかはわからない。 - モネですらこう、なのか、コンテンツが溢れかえる現代だから、なのかはわからない。
でも、少なくとも現代ではモネの作品ですらじっくり足を止めることが難しいのは事実。
ネット上のクリエイター達の、作品制作に掛けた時間に対し受け手が消費する時間は一瞬であることを嘆く声をよく見かけるけど、それは彼らが考えてるよりもずっとずっと難しいことなのかもしれない。 - 若いカップルなんかはイチャつきながら(むしろそれ目的が半分というぐらいに)、絵を一瞥して次の絵へ。
現代の展示会だからかと思ったけど、もしかすると、公開当時もそうやって男女がイチャつきながら見てた可能性もある。
そんな150年前の絵面はちょっと面白い。 - 私は色づかいや瞬間の切り取り方を熱心に見てたけど、
同じ絵を見ていた隣の人が「あ~風が強く吹いてるんだね」って言ってて、すごくいい感想だなと思った。
見たままを見たままに、私からは出なかった感想。すごくいいですね。
写真に何を残すのか
- 撮影NGの場所を抜けると撮影OKゾーン(睡蓮)に入って、みんな一斉にスマホを構え写真を撮る。
撮ったら興味を無くしたかのように目もくれず次の絵画を撮りに行く。面白い光景。
モネなら作品名で検索すれば画像が出てくる現代で、彼らは写真に何を残してるのだろう。
「モネ展へ行ってきた」というSNS報告の為?あるいは家族や友人に見せる?
自分が思い出すため?せっかく来た記念に?
その写真はいつかゴミ箱に送られるのだろうか。あるいはフォルダのなかで大事に息づいてるのか。 - モネ作品は検索画像と実物では魅力が全然違うから、実物の魅力を収めているのかもしれない。
- (怒ってるのでなくて、単純に不思議な光景に好奇心が湧いた、というお話です)
- なんて思ってたけど、このブログのトップ画に載せる用(&記憶振り返り用)の写真は
撮っておけば良かったと思ってる、今。
こういう時の為なんだろうな(笑)
おまけ
- 展示会場を出てミュージアムショップでポスカやミニ複製画?を見たけど、どれもこれも何か違う。
私が惹かれたあの作品じゃない、という感じがした。 - ついでに1番好きだった『プールヴィルの崖、朝』は何処にもなかった。なんでよ~!!
(大人の事情かもしれない) - ならばと、家に帰ってじっくり眺めるため図録を購入。
家に帰ってみると紙袋に図録だけなかったwww
気付かなかった私も私だけど、この状況面白すぎるwww - なのでモネ作品のあれそれは私の記憶を元に書き起こしてて、
ネット検索で出てくるのは私が惹かれたのとはちょっと違うし、
段々夢だったのでは?と思えてきたところです。(タイトル回収) - (レシートには図録と印字されてるので、多分現実)
以上です。
実物があまりにも良すぎたので、機会があればまた行きたいなと思ってます。
ちなみに図録(虚無の姿)は、ショップ運営と連絡が取れまして郵送してもらえることになりました。よかった。届くのが楽しみです。
(2023/11/11 追記)
図録届いた~!
連作が並べて見られるの嬉しいですね。やっぱり実物が一番良かったというのは変わらないのですが…(笑)
あと、「2か月?で40点以上」描いててモネやばいみたいなこと書いてましたが、実際は「4ヶ月の滞在で約24点」でしたので修正しました。より化け物にしてしまって申し訳ない。
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以下、WEB拍手のお返事です。
拍手のみ方も本当にありがとうございます!
23/11/3 六話を影ながら…の方
影ながら見守ってくださってありがとうございます!
頬ずりリゼも気に入ってくださって嬉しいです~✨
続きを描くエネルギーをいただき、感謝です。